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記事名: 椿油のお話

曽根教会と横道智宏さん曽根教会と横道智宏さん

新上五島町小串郷にある曽根教会のお出迎えがあり、それを抜けていくと「しんうおのめ温泉荘」にたどり着きます。この温泉荘の中に「新上五島町振興公社」の事務所はあり、担当者「横道智宏さん」1人で椿油の加工と販売までを行っています。 椿油の生産量では長崎県は全国2位となりますが、その生産の殆どは五島列島が占めます。

まず、上五島で収穫される椿の種類は「ヤブ椿」で特に新魚目地区が多く取扱いしており、ヤブ椿の木が生えている面積は約83ヘクタールあります(計測できる範囲での面積です)。

(少しここで余談、この面積を東京ドームの個数で換算すると約18個分、さらに言いますと青森県の横浜町にて平成元年に菜の花の作付け面積が日本一になった時と同じです。)

津和崎椿津和崎椿

椿の木は潮風にも強いため、昔から五島列島全般に生息しており、上五島も例外ではありませんでした。椿の木は幹も硬いことから農具等にも使用し、実から油もとれるので大事にされておりました。島には昔からカトリックの信徒も多く、その方達が生活に密着するほど椿を大事にし、薪などには使用しなかった事が現在の椿油の産地と結びつく一説にもなります。現在、椿は上五島の津和崎地区に多く生息し、大きいものでは円周が約1mもあり樹齢は約300年と言われております。

また、椿の花が咲く時期ですが、早くて11月頃から遅くて4月頃まで咲き、この時期の中でもピークは2、3月となります。それから夏が過ぎ初秋の9月頃から種の収穫が始まります。椿の木は道路脇や山、至る所に生えており、年間の収穫量は平均で約8トンですが、平成19年は例年よりもかなり上回り約39トン(ちなみに平成18年は約3トン)と、自然の気温等の状況により収穫量が変わりますので、なかなか収穫量の絶対値が決まらないのが現状です。

加工場で椿油を製造する時に出る椿の実のカスが全体の約6割出てきますが、これは畑等の肥料となるため、上五島内や福江島からもトラックで来て持ち帰るそうです。その他、精製時に不純物が約1割でますので、純粋な油は全体の約3割しか生産できません。

津和崎小学校・椿油濾過津和崎小学校・椿油濾過

昔ながらの製法や伝統を次の世代に引き継いでいくように津和崎小学校では平成10年から総合的な学習の時間を中心に体験活動として取り組んでいます。この活動を「椿大好き」といいます。児童、保護者、教師等が参加し地元の方達と交流を深めながら、9月頃に実をとり、10月下旬(11月上旬)までに実を干して割り、油にします。この時期には他の地域の小学校とも交流をして、椿の和を広げていきます。

津和崎小学校・集合写真津和崎小学校・集合写真

また、小学校には「椿ルーム」があり、ここで油を瓶に詰めたり、石けんを作ったり、椿の葉をお茶にしたりと、翌年1月下旬頃に行われる文化祭に向けて自分たちオリジナルの手作り椿加工品を作ります。この活動の様子は長崎新聞で大々的に紹介され、関心をもたれた方の問い合わせがあります。この文化祭での売り上げ金は、学校と地域が一体となって、学校や地域を四季折々の花で彩る「花いっぱい活動」の費用として種の購入費にあてます。上五島の一番北にある米山教会や診察所附近、空き地など植栽して、地域や訪れた方の心を和ませています。

上五島で生産している椿加工品については一番売れるのが100ml分のタイプで1年間に約1万本販売、この商品を含め、主な売り先では長崎県内が約8割で残りの2割は県外になります。もちろん、上五島の五島手延べうどんもこの椿油を使用しております。

また、この椿油は髪に塗る目的でよく使用されておりますが、愛用するお客様の中には「サビ止め」、「家具を磨くときに使用」、「天ぷら油に使用」など面白い使用方法もあります。

上五島では子供からお年寄りまで幅広く椿が愛されています。