今月の海は上旬から真あじの漁が絶好調であり、海で生きる者達の願いが叶ったような心境でありました。今まではごく少数であった漁も真あじに関しては連日の豊漁であり、漁師を始め地元の業者もホッと胸をなで下ろしました。
特に隣接する加工場では、歓喜の声が出るほどどうしても欲しい魚種でありました。全体的に見て今年のアジは少し小型になりますが、やはりこの時期のものは脂ものり、刺身、塩焼きにといろんな料理に使用しても最高にうまい。

水いか(アオリイカ)も好調で、この時期には珍しく止まることなく水揚げされていますが、それでも不足の状態です。この原料を使用した「水いか一夜干し」の製造方法は生加工を原則としておりますので、特に優先して原料の確保と製造を行いますが、年々需要が大きくなってきています。

また、珍しいものには砂底に生息する「コウ貝(テングニシ)」もまれに水揚げされます。これは刺網の漁法で漁獲しますが、水揚げ量としてはサザエ等の貝類に比べると数も少なくサザエの水揚げに対して1割ほどです。もちろん刺身でも食べられ、食感はやわらかく特に肝は絶品です。見かけによらず、この貝は凶暴で2枚貝はおろか共食いもします。
2年ぶりに水揚げされたシンバガツオ。ハガツオの子供をシンバガツオといい魚体は約1kgあり、キツネのような顔つきをしています。このカツオ肉質自体に脂はありませんが、何か新商品ができないかただ今試作検討中です。このカツオは2kgを越えると、また何とも言えない上品で濃厚な味になり、島内での人気の高さ故に出荷する量はわずかです。

まだ先の話ですが、12月に東北の風が吹き抜ける頃、沖から港へ帰ってきた船には水氷がはられ、そこには大量のハガツオが…、しかし、そのシッポには糸がぐるぐる巻かれています!?そう、誰よりもその美味しさを知っている漁師達が先取りをしているという訳です。……と話がそれてしまいましたが、このハガツオのお話しも続きは「12月の海」にて。
