
先月から始まっている春網ですが、例年のような水揚げはなく漁師を始め関係業者は困り果てている状態です。
どの魚種も全体的に少な目ですが、目立って少ないのが角あご(飛魚)とカワハギです。角あごは約30cmの大きさで刺身、練り製品、開きなどの原料となり、私達の漁協でも、この角あごを生から加工し各物産展で販売しています。朝獲れた目の輝いているものをその日の内に加工するのですから、当然身もふんわりしています。

また、カワハギと言えば、例年だと荷捌所にこんもりと小山が出来る程の水揚げがあり、箱立てするのに何時間もかかっていたのですが、今月は1日に数箱の世界です。どちらも「のどから手が出る程欲しくてたまらない」状況です。そして、アジもこの時期から増えてくるのですが、4月とは打って変わり全く姿を見ないようになりました。
「4月の海」では話の終わりに「5月」を期待させましたが暗い話題ばかりです。ただ、明るい話と言えば、今月から素潜り漁が始まり、アワビ、サザエ、ミナ等が水揚げされています。丁度水揚げされているアワビの中にビックリジャンボアワビがありました!その重さは何と約1.1kgもあり、刺身にすると一体何人前あるのでしょうか。
こんな大きなアワビは初めて見ました、もちろん天然ものです。アワビは大きく分けて黒アワビ、赤アワビの2種類に分けられます。身が厚く表面が黒いものが黒アワビ、赤アワビは黒アワビに比べ貝の形が丸いのが特徴で、身は薄く表面の色は茶色がかっています。市場では赤アワビよりも黒アワビの方が高く取り引きされています。
地元の漁師達は黒アワビの事を「おっきゃ(オス貝)」、赤アワビの事を「めっきゃ(メス貝)」と呼びますが、実際には黒アワビ、赤アワビの中にもそれぞれオスとメスがあるのです。

水揚げされるアワビの中には天然物と稚貝を放流しそれが大きくなったものも混ざって獲れ、実際に水揚げ時に放流されたアワビの調査に新上五島町役場の水産課職員が立会い検査をします。放流されたアワビは端の方に緑の塗料が付いているので少し貝を擦ると天然物と区別できます。海の中で岩などとカモフラージュしているアワビを探すのは大変ですが、みなさんプロばかりですので、1回の水揚げで個人差はありますが10~20kg持ってきます。
期待通りの大漁報告ができない今月となりましたが、来月こそ良い報告ができるように大漁祈願です。
