
今年の夏は例年の様にギラギラ日差しが照りつける日もなく、涼しいままに夏が終わりました。この涼しさが有川漁業団の大型定置網操業を早める結果となり、昨年よりも4日早い26日に水揚げが始まりました。8月に入ると涼しい北東風が吹いており、地元の人は「あご風が吹いてるから、あごが獲れるんじゃない?」と話していました。そうなのです、あごが入りそうな風が吹いているからこそ、有川漁業団は早めに網を入れたのです。

この「あご(小型)」こそが、あご加工業者が喉から手が出る程欲しい魚種なのですが、昨年のあご漁が不振で長崎の生月、平戸、五島は大打撃を受け、どこの加工業者も原料不足で悩んでいました。少量でありながら、相場を見るために出荷すると4,000円(約12kg入)の価格がつき例年の約2倍で予想していた通りの結果です。これで漁が安定してくると魚価も落ち着きますが、一時は価格が高いままでしょう。
また、定置網は全ての漁場に網を入れている訳ではなく、松ヶ崎(マツガサキ)、継子(ままこ)を先に入れて、操業を始めています。今、網に入っている魚種はシイラ、サワラ、小型のカマス、小型のアジ、丸あご(中型のあご)、小型のクロムツが中心で、是が非でも欲しい小型のあごはもう少し後になりそうです。定置網操業とは別に二艘曳き網漁も始まり、あご漁が本格的になってきました。

今月は大型定置網操業が始まる前の春網に三の字(サンノジ)が急に大漁に水揚げされたりして、荷捌き所を賑やかにさせました。この魚は尾の方に黒い斑点が4つあるのですが、その模様が漢字の「三」に似ていることから三の字と呼ばれています。三の字は毎年と言ってよい程、春網の上がり際に獲れることが多く、安値ながらも数がまとまって獲れることで水揚げ額が上がり春網を営む生産者にとっては、ちょっとしたボーナスってとこでしょうか。
その他にも青アジ(丸アジ)、これは真アジとは違い魚体に丸みがあり、身自体にも少しクセがあります。数年前は養殖のエサ等に回され、下等な扱いを受けていましたが近年では真アジよりも良い相場が出るようになりました。三の字も青アジも獲れたてを刺身で食べると大味でおいしい魚です。
これからは大型定置網操業と個人の定置網漁、二艘曳き網漁と涼しくなれば有川の町は活気が出てきます。来月は良い報告が出来そうな気がしますね。
