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記事名: 一月の海

漁港入港

1月5日の初売りに向け、有川の新年の操業は毎年4日から始まります。12月の勢いを新年にも期待していたのですが、なかなかうまくいかない日々が続きました。定置網とは、回遊してきて迷い込んだ魚を獲る『待ち』の漁法であるがゆえに、漁獲が少なければ「いかに価値を付けるか」と各業者は苦労を重ねています。

スルメイカの水揚げが少ないという事は、単純に高値の相場が見込める訳で(一概にそうとも言い切れないが…)次品を出さないような取り組みがされています。通常、スルメイカは鮮魚向けに20本入りで箱立てします。この際にキズのあるものは商品としての価値が落ちる為、冷凍加工向けに安価で取引されます。さて、このスルメイカや魚についたキズは何が原因と思いますか?犯人は!?……

サンマ

画像の下に丸い物体がありますが、これはスルメイカの「口」です(通称カラス、トンビ)。定置網で漁獲する際に、逃げ場を失いパニックに陥ったスルメイカが、同じ仲間やサンマ、または高級な大物サワラまで噛みつく始末。そうです、キズものを生みだしているのは、このイカの口なのです。

それではと、まずはパニックにならないように網を締め付けず、タモで数匹ずつすくい獲り、船に揚げられたものは一匹ずつ手作業で口を抜いていきます。100箱立てる際は単に2,000匹、こうした作業が沖でされているのです。また、この口を抜き取ることはスルメイカの鮮度にも良いと言われています。

スルメイカ選別

では、スルメイカの箱立ての仕方です。一段目にくるものは足を行儀良くさせますが、この時に隣にまたがって箱から飛び出したりしては見た目が悪くなるのでNG。二段目のものは頭を揃え尚かつ耳を丸め、三段目のイカはこの両方になります。さて、これで味が変わる訳ではないのですが、この様にして立てられた魚達には漁師の方々の気持ちが込められています。徐々にこの地道な努力が実り初め、各市場での評価も上がってきました、有川定置のブランドもんです。

他の魚種はと言いますと、昨年秋にさっぱり獲れていなかった水いか(アオリイカ)が網に入るようになってきました。これは平成長崎俵物に認定されている水いか一夜干し商品の原料となり、春まで水揚げは期待できなかったのですが、ここに来て最漁期の水揚げ量とまではいかないものの、隣接する水産加工場で製造できる量を何とか確保しています。この商品の問い合わせが年末から相次ぎましたが、原料がない為に製造も出来ずにいました。原料がないと何も出来ないと言うことを昨年のあご(飛魚)漁から痛感しています。もちろん、加工場製造だけではなく、漁師が一番身にしみる程感じています。

さてさて、2月も例年だとスルメイカが大漁に水揚げされる月なのですが、これまで以上の大漁となるように祈ります。